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FJリアルティの藤田祥吾社長
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 都心で東京湾に面した「湾岸エリア」はこの10年あまり、タワーマンションが立ち並ぶエリアとしてすっかり定着した。最近は東京五輪・パラリンピックの選手村を改修したマンション群「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」が販売され、周辺のタワマンとともに売買が活発だ。都心のマンション価格高騰の最前線ともいえるこの場所で何が起きているのか。湾岸エリアで多くの不動産売買を手がける、FJリアルティの藤田祥吾社長に現状を聞いた。(聞き手・橋本幸雄)

あふれる「晴海フラッグ」の転売住戸

 ――「晴海フラッグ」は、都心で4千戸超の分譲マンションが供給されるという異例の物件でした。大量供給はマンション相場下落につながるとの見方もありましたが、現状はどうでしょうか。

 「市場へのマイナスの影響は全くありませんでした。これだけの大量供給ですから、湾岸の他エリア(晴海、豊洲、東雲)から晴海フラッグへの買い替えが進み、それに伴う売却で中古物件が増え、需給がだぶつくとの見方もありましたが、全くそんなことはありませんでした」

 「晴海フラッグの価格は坪200万円台半ばからと、都心としては異例の安さでした。そこへ、実際に住む『実需層』に加え、投資目的の買い手も殺到しました。現在、市場には投資目的で買われ転売された住戸があふれています。転売物件の販売価格は坪500万円以上で、実に発売時の2倍超です。市場には100戸以上の転売物件が出ており、分譲された部屋を賃貸に回しているケースも500件以上みられます」

 ――人気の理由は安さだけだったのでしょうか。

 「2019年の発売開始後、コロナ禍と重なったことも大きく影響したと思います。晴海フラッグは最寄り駅から遠いことがネックですが、在宅勤務の広がりで、それがマイナスに捉えられにくくなりました。在宅勤務であれば、より広い部屋を求める傾向が高まります。駅から遠いですが広めの部屋が多い晴海フラッグは、時代のニーズにピタリとはまったわけです」

 ――大量供給でも需給が悪化しなかった理由は。

 「晴海フラッグはあまりの人…

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